【言わなくても分かる】で回っていた会社ほど、ズレが大きくなることがある

【言わなくても分かる】で回っていた会社ほど、ズレが大きくなることがある

ブログを更新しました。

https://ameblo.jp/proteanmessage/entry-12967578108.html

 

「最近入った社員が、指示したことしかやってくれない」
「昔は少しの指示で、みんなが意図を汲んで動いてくれていたのに」
役割分担が増えてきた会社の経営者や管理職の方から、こうしたお悩みを聞くことがあります。

■ 現場で起きている「常識のズレ」が生むすれ違い

これまで少人数で上手く回っていた会社ほど、新しい人が入ってきた時や外部に業務を委託した時に、
既存メンバーとの間で「業務の進め方」に関する違いが起きやすくなります。

例えば、新しい担当者に「A社向けの提案資料を作っておいて」と指示を出したケースです。
担当者は、指示通りに基本フォーマットに沿って資料を完成させました。
しかし、それを見たベテラン社員は「A社向けなら、いつも過去3ヶ月のデータも添えていたよね」と不満を抱きます。

一方で、新しい担当者からすれば「そんな独自のルールがあるなら、最初に言ってほしかった」と戸惑うしかありません。

「これくらいは分かるだろう」という期待と、「聞いていないので基本通りに対応した」という認識。
この小さなズレが積み重なることで、ベテラン層は「最近の人は気が利かない」「毎回ゼロから教えないといけないから疲れる」と
疲弊し、新しい人は「この会社には見えないルールが多すぎる」とモチベーションを下げてしまうすれ違いが起きています。

■ 「阿吽の呼吸」で上手く回っていた会社ほど起きやすいこと

なぜ、昔は上手くいっていたのに、今はすれ違ってしまうのでしょうか。

創業期や長年同じメンバーで働いてきた組織では、日々同じ空間で同じトラブルを乗り越え、多くの時間を共有してきました。
そのため、わざわざ言葉にしなくても「A社といえばこの対応」「うちの社長が気にするのはこのポイント」という
【暗黙のルール】が自然と共有されています。
いわゆる「阿吽(あうん)の呼吸」です。これは、スピード感を持って事業を進める上では非常に上手く機能します。

しかし、この関係性は「同じ背景を共有している人たち」の間でしか成立しません。

会社が成長し、全く違う環境で育ってきた新しい人が入社したり、業務委託のパートナーが入ったりした時、
この阿吽の呼吸は突然「目に見えない壁」へと変わります。
経営層やベテラン社員は、自分たちの頭の中にある「これまでの常識」を、新しい人も当然持っているものと
無意識に錯覚してしまいます。
そのため、ズレが生じた時に「能力が足りない」「気が利かない」と個人の資質の問題にしてしまいがちです。

しかし、本当の原因は個人の能力ではなく、「暗黙のルールが言語化されていない構造」そのものにあります。

■ ガチガチのルール化ではなく、「当たり前」の整理から始める

組織の役割分担が進む中では、これまで「言わなくても分かっていたこと」を、あえて言葉に落とし込む作業が必要になります。
ただ、ここで「立派なマニュアルを作ろう」「ガチガチの制度を整備しよう」と身構える必要はありません。
大切なのは、現場の温度感を残したまま、お互いの認識をすり合わせることです。

「新人が悪いのか、ベテランが厳しすぎるのか」と個人の問題にするのではなく、
「そもそも何が当たり前になっているのか」を整理するだけで、現場のすれ違いが大きく減るケースは少なくありません。

ただ、実際には「自分たちの当たり前」を自分たちで洗い出すのは非常に困難です。
当たり前すぎて、何が独自のルールなのか気づけないケースがほとんどだからです。

もし「うちの会社も、見えないルールで回っているかもしれない」と感じた場合は、
一度第三者の視点を入れてみることをおすすめします。
外からの視点を入れることで、「それは御社独自のルールですね」「ここを言葉にしておけば、新しい人も迷いませんね」と、
思い込みや見落としに気づき、絡まった頭の中を整理しやすくなります。

「あの人しか分からない」を減らし、新しく入った人でも迷いにくい状態を作ること。
それが、安定した組織基盤を築く第一歩だと考えています。

当社も、人数は少ないですが、私の思い込みで話しをしてしまったり、
前提共有が不足したまま話を進めてしまった結果、認識のズレが生まれ、確認や修正が増えてしまうこともあります。

どんな会社でも、複数人で仕事をしている以上、考え方や感じ方には違いがあります。
だからこそ、「ちゃんと伝えたつもり」だけではなく、日々の対話や言葉選びが大事になると痛感しています。

私がなぜ、ここまで「現場のすり合わせ」や「働く時間との向き合い方」にこだわるのか。
その背景にある想いや仕事への向き合い方を、以下のページにまとめています。よろしければぜひご覧ください。

【代表 青木優介の取扱説明書(プライベート)】
https://www.pro-tean.com/message