システムを入れても残業が減らないのはなぜ?現場で起きている“見えにくい原因”とは

システムを入れても残業が減らないのはなぜ?現場で起きている“見えにくい原因”とは

ブログを更新しました。

https://ameblo.jp/proteanmessage/entry-12960111757.html

 

「新しいシステムを導入したのに、現場の残業が一向に減らない」
「運用に乗せるまでの作業負担を考えて、システムの導入を諦めている」
というお悩みを聞くことがあります。

■システム導入後に現場で起きている「二重管理」の悲劇

現場の作業量が減らない原因の一つとして、導入されたシステムと「現場の実際の作業手順」が合っていないために、かえって手入力や確認業務が増えてしまっていることがありました。

例えば、勤怠管理のシステムから、給与計算のシステムへ労働時間のデータを移す業務において、データを自動で取り込むことで、確認や入力の手間を大幅に省ける予定でしたが、現場では、「システムでは対応できない自社独自のルール」がそのまま残っていたために紙運用も併用せざるを得ず、一度勤怠データを「紙に印刷」し、それを見ながら給与システムへ「手入力」し、さらに入力ミスがないか「紙と画面を突き合わせて確認する」という作業が行われていました。

また、別の現場ではこんなこともありました。
各現場(営業側)でそれぞれ請求書を作成しているのに、それを会計システムに取り込むため、管理側がもう一度Excelにまとめて手入力を行っている。
本来なら一つのデータで済むはずなのに、営業側と管理側で「全く同じ作業」を二重に行っておりました。

その結果、途中で修正などが入ると両者の数字にズレが生じ、月末になると「営業と管理の数字を突き合わせるための謎の確認業務」に現場が多くの時間を費やしてしまっておりました。

■「期待」と「現場の本音」に生まれるすれ違い

なぜ、効率化のためのシステム導入が、こうした悲劇を生んでしまうのでしょうか。

よくあるのが、「本来は現場からもっと自発的に効率化のアイデアを出してほしい」という期待です。
しかし一方で現場には、「通常業務が忙しくて新しいことを考える余裕なんてない。

システムを入れれば、関係者への使い方説明や運用変更の対応で自分達の仕事が増えるだけ。これ以上業務負担を増やしたくないし、新しいことを覚える余力もない」という切実な本音があります。

このように両者に大きな温度差がある中で、「現場のITスキルが低いからだ」「新しいやり方を覚えるのを嫌がっているからだ」と、個人の能力や意識の問題にしてしまうのは簡単ですが、日々の業務に追われながら一生懸命働いている現場の人たちを責めても、根本的な解決にはなりません。

ズレが生じてしまう原因はいくつか考えられますが、多くの場合、「担当者ごとの細かい作業手順や独自のルールが、十分に整理されないままシステム導入が進んでしまうこと」が大きな要因になっています。

そもそも、現場の業務のすべてを把握するのは、現実的には簡単ではありません。これまで手作業やExcelで行っていた業務には、担当者の頭の中にしかない「暗黙のルール」や「イレギュラー対応」がたくさん含まれているからです。

しかし、その状態で良さそうなシステムという「箱」だけを導入してしまうとどうなるでしょうか。現場は「今の複雑な業務を、どうやって新しいシステムに当てはめるか」という運用方法を一から考え、対応しなければならず、かえって多くの工数がかかってしまいます。結果として、システムを動かすために「事前にデータを整える作業」や「紙やExcelとの二重管理」が新しく発生し、現場の労働時間が増えてしまいます。

■システムを入れる前に「現場と一緒に」やるべきこと

だからこそ、システムを導入する「目的」の段階から現場と共有し、現場を巻き込んで一緒に業務の整理を進めることが、結果的に最も効果的なシステム導入に繋がります。今の運用を変えずにシステムだけを入れても、単に新しい業務量が上乗せされるだけになってしまうからです。

新しいシステムを入れる前に必要なのは、これまで当たり前に行ってきた「現状の業務手順やルール」を、一度立ち止まって見直すことです。

現場の運用を変えずにシステムだけを入れるか、システム導入を機に現場と共に業務を見直すか。この姿勢の違いこそが、システム導入で「業務効率が上がる会社」と「労働時間が増える会社」を明確に分けているのだと私は思っています。

■導入前チェックリスト

システム導入前に、最低限ここだけは確認するのが良いと考えています。

・現場の業務フローを「最初から最後まで」書き出しているか
・担当者しか知らないルールや例外処理を洗い出しているか
・「その作業、本当に必要か?」を一度疑っているか
・システムに合わせるのか、業務を変えるのか方針を決めているか

一つでも曖昧なまま進めてしまうと、
システム導入後に「二重管理」が発生し、
結果として業務量が増えてしまうケースが少なくありません。

もし「自社も同じ状況かもしれない」と感じた場合は、
一度、現場の業務フローを整理してみることをおすすめします。

ただ、実際には「どこまで整理すればいいのか分からない」「現場の本音が出てこない」といった壁にぶつかるケースも少なくありません。

もし整理の進め方に迷う場合は、第三者の視点を入れることで、思い込みや見落としに気づきやすくなります。

実際に多くの企業で、システム導入前に業務整理を行うだけで、
「そもそもシステムが不要だった」
「導入コストを半分以下に抑えられた」
というケースも出てきています。

システムで効率化できるかどうかは、システムの性能ではなく、「導入前にどこまで業務と向き合えたか」で決まると考えています。

私がなぜ、ここまで「業務の進め方」や「働く時間の向き合い方」にこだわるのか。
その背景にある想いや仕事への向き合い方を、以下のページにまとめています。よろしければぜひご覧ください。

【代表 青木優介の取扱説明書(プライベート)】
https://www.pro-tean.com/message