他社と同じルールが、自分たちにも合うとは限らない
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新しい制度やルールを作るとき、『同業他社ではどうしているのだろうか?』と
気になるのは自然なことだと思います。
何もない状態から考えるよりも、具体的な事例があった方が、検討すべきことが見えやすくなり、
社内でも話し合いやすくなるからです。
私自身も、会社員時代に人事制度づくりに携わった時に、同じように他社の事例を調べたことがあります。
■「これは、うちの会社には合わない」と感じた経験
当時、外部コンサルから、上場企業で導入されている人事制度を提案されました。
「この制度を導入すれば、今抱えている課題を解決できる」という説明で、参考になる部分も多くありましたが、
内容を確認していくうちに、「これは、うちの会社には合わない」という違和感が強くなりました。
当時の会社の文化や仕事の進め方、社員との関わり方を考えると、そのまま導入すれば、社員から多くの質問や不満が出て、
担当者がその対応に追われ、通常業務にも支障が出ることが想像できました。
そこまで負担をかけて導入しても、制度が定着せず、最終的には形だけが残ってしまうのではないかという危機感がありました。
そこで、提案された制度をそのまま導入するのではなく、参考にできる部分と当時の会社には合わない部分を整理したうえで、
担当者の間でたたき台を作り、部長や役員へ説明しながら内容を見直し、当時の会社に合う人事制度へまとめていきました。
この経験が、他社の事例を確認する際に、その内容だけでなく、自分たちの会社との違いまで考えるようになった理由の一つです。
■参考になる事例は、会社の状況によって変わる
お客様から「他社ではどうしていますか」と聞かれた時の対応は、
お客様の状況をどこまで理解しているかによって変わります。
初めてご相談いただいた会社では、当社にお客様の情報がないため、まず会社の規模、仕事の内容、
現在の運用、何に困っているのかを確認させていただきます。
そのうえで、参考になる事例をお伝えします。
一方、すでに契約をいただいており、お客様の状況やこれまでの経緯が分かっている場合は、他社の事例を先にお伝えし、
その内容とお客様の会社の状況を照らし合わせながら、一緒に確認することもあります。
他社の事例を紹介して終わりにするのではなく、そのまま取り入れられる部分と、会社に合わせて変える部分をお客様と整理し、
その会社ではどのようにするのかまで一緒に考えます。
■同じことは、どんなルールづくりにも言える
お客様からも、似たような話を伺うことがあります。
社長が「うちでもこれを使えないか」と持ち帰ってきた制度を、管理部が調べて導入を検討するのですが、
そもそも何のためにその制度が必要なのかが不明確なまま進んでしまい、現場に合わせて無理やり形にした結果、
誰にも使われないまま残ってしまう。
こうしたことは、決して珍しくありません。
『使われなくなってしまうルール』を防ぐために、まず確認したいのは、
何を解決するためにそのルールを作るのかということです。
一つの考え方は、他社の事例を『答え』としてではなく、
自社との違いを確認するための『材料』として使うことだと思っています。
最近、災害時の対応基準を整えたいというお客様からご相談をいただいた時も、
この考え方で進めていきました。
「どのような状況になったら、社員をテレワークへ切り替えるのか」
「他社が実際に使っている判断基準を知りたい」
何もない状態から基準を作るのは時間と労力が必要なため、他社の基準は具体的な検討材料になります。
ただし、他社と同じ基準を設ければ、自社でも同じように対応できるとは限りません。
例えば、事務作業が中心の会社と、工場や店舗など現地でなければできない仕事がある会社では、
テレワークへ切り替えられる範囲が異なります。
電車通勤が多い会社と、自動車通勤が中心の会社でも、同じ気象情報が発表された時に受ける影響や、
判断するタイミングは変わります。
また、テレワークの制度があっても、実際に自宅で対応できる業務が整理されていなければ、
災害時にすぐ切り替えることはできません。
こうした違いを一つずつ確認することで、自社では何を優先して判断するのか、
誰が最終的に判断するのか、社員へどのように伝えるのかが見えてきます。
■他社との違いから、自社の考え方が見えてくる
他社の基準を見ることで、何を決めておく必要があるのかが分かります。
そのうえで、自社との違いを確認すると、それまで言葉にしていなかった自社の考え方が見えてくることがあります。
他社のやり方は、自社の答えを見つけるための『材料』です。
何を選び、何を変えるかを自分たちの言葉にしていくことが、使われないまま終わるルールと、
現場で本当に機能するルールの差になるのだと考えています。
私がなぜ、ここまで「会社に合うルールをつくること」や「お客様と一緒に考えること」にこだわるのか。
その背景にある想いや仕事への向き合い方を、以下のページにまとめています。
もし少しでも気になっていただけたなら、のぞいてみてください。
【代表 青木優介の取扱説明書(プライベート)】
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